<私がスポーツカイトを始めたいきさつ> ご参考までに
■スポーツカイトにはじめて出会ったときのこと。
1992〜1993年頃だったか、東京・渋谷の東急ハンズの1階にアメリカ製のスポーツカイトが多数陳列され、ハワイチャレンジ(大会)のビデオがばんばん流されていました。それを見た時、その時速100キロ近いスピード感と、大編隊のチーム・バレエの素晴らしさに圧倒され魅了されてしまいました。その頃、実はハンググライダーをやってみようと思っていたのですが、それで友人が大怪我をしたところだったので、ちょっとばかり躊躇していたのでした。 で、スポーツカイトなら危なくなさそう。 と、安易な発想で入ったわけです。何を隠そう、私は飛行機でも何でも、空を飛ぶものならすべて好きな「空ものオタク」だったのです。
当時、私は広島方面に住んでおり、広島に帰って家のまわりを調べてみましたが、近くにはスポーツカイトを飛ばせそうな広々とした場所が無く、仕事で上京する度に、東急ハンズに行って、うらやましく眺めていました。「やっぱりやりたい。何とかやりたい。どうしても。」と思いながら。
■スポーツカイトが飛ぶのをリアルに見た時の忘れられない感動。
それからしばらくして雑貨輸入業の仕事がら、海 外の仕入先捜しも兼ねて、東京・晴海(当時)で毎年2回開催される、「インターナショナル東京ギフトショー」に行ったところ、何とスポーツカイトを出展している貿易業者を見つけました。そして、そこで、大阪の舞洲で大きなアウトドア・イベントが行われる情報を得て、またもや今度は大阪まで出かけて行ったのです。舞洲には小さな滑走路まであり、ウルトラプレーンからマウンテンバイクまで、考えられる新しいアウトドアスポーツのほとんどすべてがデモンストレーションされ、それぞれに競技会も行われていて、いや、もうとっても楽しかった。ここではちゃんとスポーツカイトもシングル、ペア、チームと、種目毎にインストラクターによるデモンストレーションが行われました。音楽と共に、スポーツカイトが空中で飛行機の編隊飛行のような演技をし、曲が変われば、曲に合った飛び方に変わる様子をみて、大変感動したものでした。「ウーん、カッコいいーっ。」そして、体験会に申し込みをしたところ、まだ午前11時だというのに、私の番はなんと午後3時頃という盛況ぶり。4時間も待って、やっと自分の番になったときには力が入りましたね。ところが、揚げたトタンに楽しむ暇もなく墜落。斜め横に飛んだのを上向きに方向転換すれば良かったのに、下を回って上昇させようとして回り切らず落としてしまったのです。初心者は大体そんな調子でみんなよく墜落させていました。しばらく飛ばしているうちにコツがわかって来たものの「ウーン意外とと難しいかも。」と思ったものの、「いやあ、はじめてにしてはウマいですよ!」というインストラクターのおせじが効いて、一週間もしない内に、早速、カイトフライヤーの仲間入りと相成ったわけです。
■スポーツカイトの練習を始めて。
最初に買ったスポーツカイトはアメリカ製スカイナサ社のトレーサーというカイトで、このカイトは非常に滑らかに飛び、また安定性も良く、スピードもそれほど速くないカイトなので初心者でもコントロールしやすく、あらゆる点で練習に向いていました。(今はもう売っていないカイトです。)また瀬戸内海沿岸は全般に風が弱く、それでもトレーサーはよく揚がりました。これを最初に選んだのは正しかったと今でも思っています。これを選ぶにあたり、ギフトショーで知人になった貿易商にカイトの選び方を細かく聞いていたのが役立ったのです。彼はアウトドアスポーツならダイビングからスキーまで殆ど何でもやり倒してきたスポーツマンだったので、スポーツカイトも自分で飛ばせたからです。もし、東急ハンズで何も知らないまま、自分で勝手にカイトを選んでいたら、多分、値段や色柄でのみで選んで買ってしまったに違いありません。なぜならば東急ハンズでは、全くアドバイスされていなかったからです。そうなると、それがコントロールし難いカイトだったり、弱い風では飛ばなかったりして、スポーツカイトは難し過ぎると思ったか、あるいは途中で面白くないと思ってやめてしまっていたかも知れません。アドバイスする人がいなかった場合、その可能性は非常に大きかったと思っています。初心者に向くカイトと向かないカイトの区別はパッケージを見ても絶対に分らないからです。初心者用と書いてあるカイトは初心者に飛ばしやすいものと理解されがちですが、実は安価なものはすべて初心者用と書かれている場合が多く、1万円以下の重いものは、逆に上級者でもコントロールが難しい代物だったりし、大抵、ほとんどまともに飛びません。最近のスポーツカイトは以前よりずっと安くなって来た上に、性能も大幅に良くなっています。しかし、数年前までは価格は高く、性能もひどいものでした。本気でやろうとする人は初心者でも5万円以上も出してカイトを買っていたのですから。
■スポーツカイトは飛ばし方を教えてくれる人がいた方がいい。
私が地方でスポーツカイトを始めた時、同じ町や周りには誰もやっている人はいませんでした。今のようにホームページに情報満載という時代ではなく、飛ばし方は一冊の本が頼りという有り様です。当時、オズナスという会社が日本最大のスポーツカイト問屋で(今は有りません。)そこが出していた「スポーツカイト・マニュアル」という翻訳モノの本が唯一のもので、その後、山海堂の「スーパーカイトスポーツ」という本が出ているのを知って、それも買いましたが、とにかく、スポーツカイトの本が全然出ていないのにはびっくりしましたね。(更にその後、イカロス出版からスーパーカイトチャレンジという本が出ましたが。どちらにしても少ない。)本を頼りの独学は試行錯誤の連続でした。何でこうなるの?という状態になった時、聞く人がいないと困ります。それでもちゃんと習得したのは私が忍耐強かったのでしょうか?!できればスポーツカイトは一人で始めるよりも、2人以上で始めた方が、墜落した時も、一方の人がセットして、もう一方が飛ばすなどの役割分担ができ、時間を有効に使えますし、なにはともあれ仲間がいれば楽しさも倍増します。
このときに思いました。スポーツカイトのようなものは、「飛ばし方のわかった人が売らなければならない!」そして、「売った店は飛ばし方を教えることを考えなければならない!」「売る人がよく知らないような店で買うと、不具合を質問
しても何にも応えてくれない。」「スポーツカイトを売っているアウトドア店でもスポーツカイトを知っている販売員はヒジョーに少ない。」「スポーツ店等で注文取り寄せなどすると、おうおうにして売りっ放しになる。」こんな経験を踏まえ、エスクでは絶対こんなことにはならないぞ。と決意して、自分の店のアウトドア関連の雑貨売り場の一角に小さなコーナーを作ってスポーツカイトを売り始めました。丁度この頃、私は岡山県の倉敷市の店のテコ入れのため、広島から移住したところでした。そして、岡山県はスポーツカイトを飛ばせる場所がこんなにも一杯あるのかと、(広島県と比べ、)ちょっと感激していた時期でもありました。(当時はサティなどの大型のショッピングセンター中心に、直営ショップをチェーン展開しており、欧米から直輸入したセンスのいい雑貨品や服飾品やアクセサリーやインテリア品を販売する、ソニープラザみたいな会社を経営しておりました。)
私も最初からスポーツカイトがうまかった訳ではありません。また、スポーツカイトについての専門知識が豊富にあった訳でもありません。そのうえ手取り足取り教えてくれる人もいませんでした。それなのに今ではスポーツカイトをうまく飛ばせますし、スポーツカイトの設計やチューニングアップもできます。それは、幸いなことに、私の周辺には(近所にはいません東京も含めて)当時、日本で有数のフライヤーやカイトの物知りや、オタクに近い人がいたのです。その人たちに食いついて聞きまくり、メモしまくって、強引に覚えたのです。勝手に友達になり師匠にしてしまって。その師匠達は実は皆んな私より年下だったんですけど。
スポーツカイトを飛ばすスキルの向上についてはスポーツカイトの競技に出ていたのが役立ったようです。何分、大会は順位がつき、大きい大会にはうまい人が多数来るので、楽しんでやるつもりでも、結局、本気になってしまうのです。頑張ればランクが上がるのが大会です。遂に頂点のマスタークラスまで上がってしまいました。そのような猛勉強で、今では自分の知識も技術もいっぱしのものになり、更に向上し、海外から直輸入した一流メーカーのもの、またコンペティション向きの高性能なものまで、幅広く扱えるようになりました。エスクは今もなお大会に出場するような方だけを相手にしている訳ではなく、スポーツカイトを始めたばかりの初心者を重視し、立派に育っていただけるよう、手取り足取り懇切丁寧に面倒見良くやっています。どのカイトがどのように飛ぶかも分らない初心者にこそ、ほんとうにいいアドバイスを与えねばなりませんし、人それぞれに好みや予算もありますから。もしあなたが面倒見のいい店で買いたいと思うなら、遠くても、是非エスクへアクセスして下さい。また、近県の方でスポーツカイトをやってみたいのに、どうしていいかわからない場合は、まずエスクにメールしてださい。
■ちょっとエスクの自慢話も。
現在のエスクは日本では数少ない本格的なスポーツカイトの品揃えをしています。本来、片手間で始めたスポーツカイト・ショップですが、(本体業務の2%の売上もなかった。)それがここまで来たのは、面白くてやめられなくなったためです。エスクは初心者からトップレベルのスキルを持つ方々までにスポーツカイトを販売するだけでなく、世界のトップメーカーのカイトと競い合える、水準の高い国産の競技用スポーツカイトも作っています。つまりメーカーでもあるのです。またエスクが扱っているカイトは世界屈指のカイトメーカーのもので、いわば一流品です。(メーカーはどこでもいいとは思っていません。)エスクは販売店であり、メーカーであり、輸入業者でもあるのです。つまり、すべてを知っています。エスクではどのカイトがどのような性能を持っているかの情報は豊富です。エスクではメーカーや輸入先の資料を見て、ただ適当に注文を出している訳ではありません。エスクで扱うスポーツカイトの種類は他のショップと比べて格段に多いのですが、そのすべてを実際に飛ばしてテストし、その結果、満足できる物だけを扱うという厳格な仕入をしています。またエスクは輸入業者なので海外の多くの情報が集まって来ます。海外のカイトデザイナーやメーカーのオーナーや競技コンペティターとも年中メールで会話しています。エスクは企業であるだけでなく、個人としては自身がフライヤーであり、競技コンペティターであるので、日本各地の遠方の大きな大会へも自ら出場しています。そういう行動から、トップ・フライヤーの友人が多く、国内の情報もしっかり集まって来るのです。日本を代表するトップクラスのフライヤーから、自ら使用するカイトの特性や意見を素直に聞いたりする機会はそういう関係でしかありません。このように、様々な意見と好み等を、拝聴しながら、そして、自分が実際にカイトを飛ばしてテストし、そのナマの印象も加えて、どのカイトがどのような反応をするのかについてのデータを貪欲に知ろうとしています。フライヤーがカイトを選ぶ時の興味は、「そのカイトはどんな感じなの?」、でしょう。ターンは?、曳きの感覚はどうなの?、負荷をかけた時の安定性は?、風が無い時トルクが落ちた時の挙動は?、ハンドリングは?、トリック性は?、どんなトリックが得意でどんなトリックが不得意なの?、と、知りたいことが一杯あるにも拘わらず、メーカーのカタログ・データでは何にもわからないもどかしさです。自分が買う時は、今使っているカイトに比べて、どこがどの位違うかを知りたいのです。エスクでもってしても完全な評価は出来ませんし、また、完全に感じを伝えることは実際問題不可能なので、断定的な言い方はしません。でも、ある程度 の感覚的な説明が自信を持って出来るように、日頃から細かなデータ収集をしています。また、実際に自分自身が飛ばしたカイトの種類も相当な数に上ります。ですから、新旧の多くのカイトの飛びの感想をお話しすることもできるのです。テストフライトの記録も膨大なものになっています。これらすべて、買う側の立場に立って考える私達の姿勢です。エスクはお客様の腕がどのようなクラスになっても、なお頼りになるショップであると自負しております。
スポーツカイトはとても楽しいスポーツです。一人でも、多人数でもそれぞれに楽しめ、アウトドア・レジャーとしても面白く、また、自然の中で親しめる等、知的で健康的な遊びでもあります。スポーツカイトは男女の体力差が反映しにくい点や、年齢のハンデもあまり出ないので、老若男女、誰でも長く楽しめると思います。さあ、あなたもフライヤーの仲間入りをしませんか。
(text エスク 中野 宏志) |